ビリヤニ太郎

ビリヤニを食べたら「ビリヤニ太郎とか許せねえよな」という声が聞こえてきた。ビリヤニ太郎といえばビリヤニ界では知らない人はいないだろうが、ここはビリヤニ界ではないので説明しておくとビリヤニを日本に定着させようとがんばっている御人だ。なんせビリヤニ太郎である。自分ですら寿司太郎のような直接的な名前はさすがに名乗れない。ひとつの世界を背負って立つ。その意気込みがひしひしと伝わってくる。

ただ、ビリヤニ太郎を許せない人もまた、ビリヤニ界ではものすごい神的な存在である可能性はある。ちょうどますのすし界隈で源がよく知られているが、源を食べてますのすしを知った気にならないでほしい、まつかわとかも食べてほしいと思うようなものだ。とりあえず富山に行ったらまつかわのますのすしを食べてほしい。喧嘩をしている時に食べると嘘のように機嫌が直るから。実話です。その節はすみませんでした。

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まあしかし、ビリヤニ太郎が許せない人もビリヤニのことがきっと好きでしょうがないんだろう。とはいえ好きというハッピーな感情がいつのまにか許せないというアンハッピーな状態に変化してしまっているのは悲しいことだ。本人としては俺は分かってる的な快があるのかもしれないが、凝り固まった嗜好は友達を無くしそうでひやひやする。

回転寿司で炙りを推していたので物は試しと思って炙り鯖を食べた。自らの主義主張に反する行為である。結果としては、RPGの呪いのように喉から無限に炙り鯖の匂いが上ってくることになった。だがこれは炙り鯖のメッセージかもしれない。自分の殻を破るため、炙り鯖を受け入れるための旅に出ようと思う。ひとまずアラジンかなんかを見ます。